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第2回 JSA福岡談話会

第2回 JSA福岡談話会の案内


JSA福岡支部会員の皆様、6月30日(金)に1回目の「談話会」を「抑止力による平和か,非軍事による平和か〜議論の枠組みの提案〜」という内容の話題提供を豊島会員にして頂いて開催しました。その後、開催様式についてアンケートを行ったところ日時の設定について週末の開催を希望する方が多かったこともあり、今回は土曜日の午前中に下記の要領で開催することとしました。また、その報告を直近の支部ニュースに掲載することを怠ってしまいました。オンラインの談話会には参加出来ない会員の方もおられるので、前回の分も含めて談話会の報告も支部ニュースの方へ掲載するようにします。

第2回<JSA福岡談話会>
日 時:9月30日(土) 午前10時30分〜12時
話 題:「処理汚染水海洋投棄の問題をどう考えるか」 
報告スライド
話題提供:福岡核問題研究会
様 式:ZOOMによるオンライン開催
ZOOM情報:ミーティングID: 815 151 6469  パスワード: 3KsYt4
以下をクリックすれば簡単にミーティングに入れます.
https://us04web.zoom.us/j/8151516469?pwd=N1dydmMxTk85eVRkenNxUFhJUE1YUT09

<報告>

 この談話会には東京や宮崎からの参加も含めて15名の参加があった.はじめに,福岡核問題研究会(報告:三好)から以下の5点にわたる論点が提示され(①海洋放出は約束違反では? ②「処理水」か「汚染水」か? ③海洋放出しか方法がない? ④IAEA包括報告書は何を論じている? ⑤地下水の流入を止める方法は?),それに沿った話題提供があった.
 論点①については2015年8月の約束「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わず」に違反し,論点②では,多核種除去設備(アルプス)で処理することでも完全に放射性物質が除けるわけではなく,東京電力は放射性物質の濃度を排出濃度基準以下にするとしているが,事故炉の核燃料デブリに直接触れて生じた汚染水を海に放出するのは世界で初めてのことであり,慎重に対処すべきとした.その上で「処理汚染水」と呼ぶのが相応しいのではとした.論点③については,原子力市民委員会などがより安全な代替案としてモルタル固化や10万トン級の大型堅牢タンク保管などを提案しているが,それらの代替案を提案者が参加する形で議論されたことはないという. 論点④については,IAEA(国際原子力機関)はもともと原子力利用を促進する機関であり環境保護や人権を守る面では中立とはいえないが,IAEAの包括報告書では「IAEAがレビューを依頼されたのは日本政府が海洋放出を決めた後だったので,IAEAの検証の範囲には日本政府が行なった正当化プロセスの詳細についての評価は含まれない」と明確に述べているという.これは,汚染水の海洋放出の正当化の説明責任は日本政府にあるということである.IAEA包括報告書は海洋放出の被害をICRP(国際放射線防護委員会)基準で論じているだけである.汚染水の海洋放出で問題となるのは内部被ばくであるが,ICRPでは内部被ばくの健康影響を外部被ばくと同等か低いとみているという.論点⑤については,いまだに核燃料デブリへの地下水の流入が止められておらず,汚染水が増え続けている.地学団体研究会(地団研)は凍土壁より広くて深い広域遮水壁の設置で地下水の流入を防ぐ案が提出せれているが,東京電力は「2028年度を目安に検討を開始する」として,汚染水の増加を放置する姿勢であるという.
 議論の中で,福島原発1〜4取水口近くの海水中のCs137の濃度が基準値の数倍あるという観測データが紹介され,コントロールされていない汚染水が海洋に流れ込んでいることが明らかになった.また,港湾外からの放射能の漏洩が示唆される分析結果があると紹介があった.いずれにしろ,核燃料デブリへの地下水の流入を止めることが大切で,地団研提案の広域遮水壁の設置が緊急に必要なのかもしれない.この問題に関しての緊急の提言を核問題研究会でまとめることを検討して頂けないかとの司会からの要請があり,ポジティブな回答をしてしまった.最後に,故吉岡斉氏が常々言っていたように,九大を含めた主要大学では原発の廃炉を専門とする専攻あるいは研究室などを作るべきではないかという意見も出された.

市民と科学者の対話(その7)

第7回「市民と科学者の対話」


テーマ「どう守る,私たちの食の安全・子どもたちの未来
講 師:中村 肇氏((株)スロー風土代表)
日 時:9月16日(土)13時〜15時

様 式:ZOOMによるオンライン開催
コメンテーター:岩元 泉(鹿児島大学名誉教授)

事前申し込み不要

<講演要旨>
種子法の廃止、遺伝子組み換え表示義務の解消、昆虫食の推進、ゲノム編集など私たちを取り巻く食や農、環境がますます危険なものになって来ています。また、無添加表示の禁止や、合成添加物の規制なども緩和されつつあります。このままでは子ども達の未来はどうなって行くのでしょうか?
私たちは、これまで40年もの間、心ある生産者や地場の伝統製法を守るメーカー達と共に食の安全の取り組みを行って来ました。それは、食育であり、農育であります。
今回の講演は、㈱スロー風土・ナチゅ村の取り組みを中心に「食の安全保障」について考えて行きたいと思います。まさにこれからの時代は「飢えるか?植えるか」です。

講演レジュメ