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Q&Aによる第6回「市民と科学者の対話」

「ほんとにいいの? 原発再稼働・新増設 ほんとうなの? 地球温暖化ー3.11と地球温暖化ー」



昨年,岸田政権は3.11の教訓から脱原発を目指すとしたこれまでの方針を政府の独断で変更しました.気候危機という言い方もある一方で「地球温暖化はウソで地球温暖化に対する取り組みは原発推進に加担するものだ」との意見もあります.原発問題と地球温暖化問題に関連した,市民が普段から疑問に思っていることがらを率直に出せるようなQ&A形式での 「市民と科学者の対話集会」を行います.この機会に気軽に対話に参加されませんか.

テーマ:「ほんとにいいの? 原発再稼働・新増設 
     ほんとうなの? 地球温暖化 ―3.11と地球温暖化ー」
日 時:2023年3月12日(日)13時~15時 オンライン(ZOOMシステム)
回答者:伊藤久徳(気象学,九州大学名誉教授)      
報告ファイル
    岡本良治(原子核物理学,九州工業大学名誉教授) 
報告ファイル



こんな疑問や他の疑問もみんなで対話しながら考えてみませんか
 Q1 地球温暖化は本当ですか?
 Q2 地球温暖化は本当に人間活動が原因ですか?
 Q3 氷河期が来て寒冷化するという話もありますが?
 Q4 脱炭素電源として、再エネとともに原発も使うべきでは?
 Q5 高騰する電気代を低くするには原発の再稼働も必要では?
 Q6 大規模な軍拡で原発が攻撃されるリスクは下がるのですか?


参加申し込みは下記のアドレスへ「3.11対話集会に参加希望」と記したメールをお送りください. 対話を豊かにするためにも,事前の質問の添付を歓迎します. 参加費は不要です.
fukuoka@jsa-fukuoka.sakura.ne.jp

集会参加には以下の「Q&Aオンライン対話集会(3/12)に参加する」をクリックしてください.
3月12日の12時50分頃からつながるようにする予定です.
Q&Aオンライン対話集会(3/12)に参加する

<報告>

 これまで、その時々で市民と科学者が一緒に考えたいだろうというテーマを選んで「市民と科学者の対話」を開催してきました。地球温暖化・気候危機の問題は、支部大会後の講演会や第1回の「対話」でも取り上げたテーマです。また、3.11から12年目にあたるこの時期に岸田政権は「3.11の教訓から脱原発を目指す」とした国の方針を現政権の独断で、原発の再稼働・新設の方向へと変更しました。また、脱原発を目指す方の中には「地球温暖化はウソで、地球温暖化に対する取り組みは原発推進に加担するものだ。」との意見を持つ方もいます。一方、これまでJSA福岡支部は核問題研究会を中心に、脱原発を1つの大きなテーマとして取り組んできています。そこで、「市民と科学者の対話」で「地球温暖化対策」と「脱原子力発電」という2つのテーマを同時に取り上げようと今回の「対話」を計画しました。

 これまで5回の「対話」を開催してきましたが、多くの場合に講演と質疑応答と言う形になって「対話」を実現できませんでした。そこで、今回は「市民と科学者の対話」を内実ともに市民と科学者の対話となるような様式で開催したいと考え、Q&A形式を取り入れて第6回「市民と科学者の対話」「ほんとにいいの?原発再稼働・新増設 ほんとうなの?地球温暖化 ―3.11と地球温暖化―」を計画しました。事前に、Q&Aの回答者となって頂く予定の伊藤会員と岡本会員にも加わって頂き、考えられるQ&Aの内容を検討し、集いの運営をどうするかと言ったことも含めて計画の検討を行ってきました。また、開催にあたっては複数の市民団体へも案内を送付し「対話」への参加協力を依頼しました。参加申し込みの段階では40名ほどの方が参加希望を出して下さっていましたが、残念ながら同時期に様々な取り組みがあったこともあり、実際の参加者は30名足らずでした。しかし、「対話」への参加者はこれまでと違って科学者よりも市民の方が多く、率直な疑問や意見も多く出されこれまでとは違ったより双方向的な「市民と科学者の対話」になった集いでした。

 集いは、事前に挙げられていた疑問点に回答者に答えてもらうことからスタートしました。回答者の1人として参加して頂いた気象学を研究されてきた伊藤会員は、まず、「対話」と言うことの意味について「意見がひとつ出れば、世の中はひとつ良くなる」という言葉で説明されてから話し始められました。地球温暖化の全体像を俯瞰するという目的で、IPCCやCOPの説明をし、この問題についての取り組み全体の時間的な推移での整理をされ、その後、懐疑論1つ1つに丁寧に答えてゆかれました。その中で、科学の問題と価値観の問題をどう峻別するかと言った観点についても言及されていました。

 もう1人の回答者として参加して頂いた原子核物理学を研究されてきた岡本会員は、まず、現代の民主主義社会において、社会を変える(変わる)ためには、民主的手段を通じて世論を変えることが基本と述べられました。その時のポイントとして、科学的・技術的な信頼性、人格的信頼性、過度の単純化に陥らない分かり易さ、双方的な啓発性、実効性と言った観点を挙げられました。その後、「脱炭素電源として再エネとともに原発も使うべきでは?」との疑問には、過去の実績を調べると原子力による発電量が多くても一人当たりCO2排出量は減らないと指摘されました。また、「再エネによる発電量が増えると、CO2の排出量が減る。しかし、原子力と再エネの普及には負の相関がある。」と指摘されて、脱原発とCO2排出削減は相反するものではないと話されました。そして、CO2排出の削減は、 エネルギー源の脱炭素化、エネルギー効率改善、エネルギー需要の削減 によって実現できるが、CO2排出の削減だけではもはや不十分で、 大気中のCO2の除去も必要ではないかと問題提起されました。

 2人の回答者のお話の後、Q&A形式の討論に移りましたが、お二人の話の導入部分で双方向的な対話についての話もあり、率直な疑問や意見が出され、講演に対する質疑応答と言うだけではない「対話」らしいやりとりができたと思います。例えば、色々な情報に接する中で地球温暖化が起こっていることに自体に懐疑的になっているが科学的な判断を聞きたいという方やIPCCのシミュレーションについて批判的な書籍について質問をされる方、生活の中で太陽熱温水器の利点を感じているがもっと詳しくその評価を知りたいという方などから質問や意見が出されました。それに対して回答者から丁寧な回答もあり、また、参加者間の意見交換もあり、これまでになく「市民と科学者の対話」という名に少し近づいた集いであったような気がします。


対話集会のチラシ(pdfファイル)

tirashi20230312