JSA福岡北九州分会の例会
17/03/25 15:32
<JSA福岡北九州分会の例会>
日 時:3月22日(土)13:30〜15:30
話 題:「AI化社会を如何に生きるべきか2」
お話し:西垣 敏 氏
様 式:ZOOMによるオンライン開催
ZOOMアクセス情報:
<3月22日(土)の北九州分会オンライン例会のZoom情報>
Zoomの時間設定は,13:15から16:00
ZOOM情報: https://kyutech-ac-jp.zoom.us/j/2191845557?omn=85271892602
ミーティング ID: 219 184 5557
概要 : 人間の脳の構造を模して造られた人工ニューラルネットワークの機械学習技
術が驚異的進展をみせ、それを搭載したAI、また特に生成AIが、人間諸活動のほとん
どの分野で、人間に代わって重要な役割を演じる機械となって来た。多くの科学者も
このAI研究に参加して、いま、AI技術が既成科学を利用するだけでなく、既成科学の
方の変貌を伴って、「AI科学」と呼ぶべき分野も生まれつつある。AIは、要するに、
「予測」マシンである。例えば色づいたイチゴの観測データから収穫最適時期を予測
する、患者の病状データから最適な医学的処置を割り出す、車前方を見るカメラの映
像から障害物を判別する、等々。しかしそこの間に人間が入る場合、例えは、教師と
生徒の授業中の振舞いデータから先生の教育力を予測する、人間の質問に言葉で応え
るとか、人間の要望に合うような絵や動画を作って見せる、などにおいては、人間の
自立性を脅かすことにつながるのではなかろうか。講師はAIの非専門家であり、AIの
数理科学的基礎付けにも技術解説にも適さないが、社会のAI化をストレートには受け
入れられない者として、AI技術の基礎知識をAI化社会で如何に生きるべきかの議論に
繋げていきたい。
1.「予測」マシン
2.機械学習….ニューラルネットワーク、深層学習、べき乗則、潜在変数
3.生成AI….拡散モデル、大規模言語モデルLLM、対話型AI、text2image
4.日本の教育DXとICT教育に関するUNESCO報告書
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<3月22日(土)の北九州分会オンライン例会のZoom情報>
Zoomの時間設定は,13:15から16:00
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ミーティング ID: 219 184 5557
日 時:3月22日(土)13:30〜15:30
話 題:「AI化社会を如何に生きるべきか2」
お話し:西垣 敏 氏
様 式:ZOOMによるオンライン開催
ZOOMアクセス情報:
<3月22日(土)の北九州分会オンライン例会のZoom情報>
Zoomの時間設定は,13:15から16:00
ZOOM情報: https://kyutech-ac-jp.zoom.us/j/2191845557?omn=85271892602
ミーティング ID: 219 184 5557
概要 : 人間の脳の構造を模して造られた人工ニューラルネットワークの機械学習技
術が驚異的進展をみせ、それを搭載したAI、また特に生成AIが、人間諸活動のほとん
どの分野で、人間に代わって重要な役割を演じる機械となって来た。多くの科学者も
このAI研究に参加して、いま、AI技術が既成科学を利用するだけでなく、既成科学の
方の変貌を伴って、「AI科学」と呼ぶべき分野も生まれつつある。AIは、要するに、
「予測」マシンである。例えば色づいたイチゴの観測データから収穫最適時期を予測
する、患者の病状データから最適な医学的処置を割り出す、車前方を見るカメラの映
像から障害物を判別する、等々。しかしそこの間に人間が入る場合、例えは、教師と
生徒の授業中の振舞いデータから先生の教育力を予測する、人間の質問に言葉で応え
るとか、人間の要望に合うような絵や動画を作って見せる、などにおいては、人間の
自立性を脅かすことにつながるのではなかろうか。講師はAIの非専門家であり、AIの
数理科学的基礎付けにも技術解説にも適さないが、社会のAI化をストレートには受け
入れられない者として、AI技術の基礎知識をAI化社会で如何に生きるべきかの議論に
繋げていきたい。
1.「予測」マシン
2.機械学習….ニューラルネットワーク、深層学習、べき乗則、潜在変数
3.生成AI….拡散モデル、大規模言語モデルLLM、対話型AI、text2image
4.日本の教育DXとICT教育に関するUNESCO報告書
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<3月22日(土)の北九州分会オンライン例会のZoom情報>
Zoomの時間設定は,13:15から16:00
ZOOM情報: https://kyutech-ac-jp.zoom.us/j/2191845557?omn=85271892602
ミーティング ID: 219 184 5557
第4回 JSA福岡談話会
30/06/24 15:19
第4回 JSA福岡談話会の案内
今回の談話会では,分かったようで分からない問題を考えてみましょう。どうも制限のない情報と制限のある情報を明確に区別してじっくり考えることが必要のようです。第4回<JSA福岡談話会>(オンライン)
日 時:6月30日(日) 午前10時〜
話 題:「モンティ・ホール問題について」 問題の解説(pdf)
話題提供:押川元重氏
様 式:ZOOMによるオンライン開催
ZOOM情報:ミーティングID: 815 151 6469 パスワード: 3KsYt4
以下をクリックすれば簡単にミーティングに入れます.
https://us04web.zoom.us/j/8151516469?pwd=N1dydmMxTk85eVRkenNxUFhJUE1YUT09
【問題の解説】
モンティ・ホール問題は、アメリカの視聴者参加のテレビクイズ番組を契機として出てきました。会場に大きな3つの箱が置かれ、司会者が番組参加者に「これら3つの箱の1つに車が入っています。当ててください。」と言い、番組参加者が1つの箱を選びました。司会者は選ばれなかった箱の1つを開けて、中に車が入っていないことを示した後で、「あなたが選んだ箱とまだ開けていない箱を取り替えてもよいです。どうしますか?」と言いました。番組参加者は交換を望みませんでしたので、司会者は選んだ箱を開けましたが、その箱には車が入っていませんでした。司会者は「実は、箱を交換したほうが、車が入っている確率が2倍だったのです。」と言いました。番組終了後に、司会者が最後に言った言葉は誤っていると、高名な学者を含めた議論の的になりました。
これは選択枝が3つの当てるゲームの問題です。この問題の枠組みの中だけでなく、さらに一般化した枠組みによってしか、説得性のある解明はできません。選択枝も多く、等しい確率ではない当てるゲームを考えることが必要です。選ばれた箱は開けることができません。この箱を開けると問題そのものがなりたたないからです。つまり、選ばれた箱からは情報を得ることができません。開けて車が入っていないことが確認された箱は3つの箱の中から取り出されたのではなく、選ばれなかった2つの箱の中から取り出された箱です。そうした意味で、制限された情報です。制限の無い情報と制限の有る情報の違いに注目することが必要です。制限の無い外れ情報(全体)は、確率を用いて情報処理されます。制限のある外れ情報(部分)は、その制限を条件とする条件付き確率を用いて情報処理されなければなりません。このような全体と部分との間の整合性は重要です。確率は数の計算によって取り扱われます。数の計算は括弧の内の計算と括弧の外の計算は同じ計算規則のもとで行なわれるように、全体と部分の整合性が前提です。したがって、確率を用いる情報処理は全体と部分の整合性が前提です。確率に関わる情報処理における全体と部分の整合性は、一般的かつ具体的に検討が必要ですが、ここではそれを前提として説明します。
モンティ・ホール問題に戻ります。選ばれた箱を箱g、開けられて車が入っていなかった箱を箱v、残りの箱を箱rと呼ぶことにします。また、箱g、箱v、箱rに車が入っている確率をそれぞれp、q、rとします(p+q+r=1)。繰り返しますが、箱vに車が入っていなかったのは、3つの箱g、v、rのなかでの箱vにではなく、2つの箱v、rに制限したなかで箱vに車が入っていなかったという制限された情報ですから、2つの箱v、rを条件とする条件付き確率で情報処理しなければなりません。2つの箱v、rを条件とする条件付き確率では、車が入っている確率はそれぞれq/(1-p)、r/(1-p)です。それが0、1になります。それをもとの確率にもどすと、0、1-pになります。したがって、3つの箱g、v、rに車が入っている確率はそれぞれp、0、1-pになります。3つの箱に車が入っていることが等確率で保証されるときは、p=1/3ですから、箱rに車が入っている確率1-p=2/3は、箱gに車が入っている確率p=1/3の2倍になります。
この考えかたは、制限された情報は条件付き確率で情報処理をするという全体と部分の整合性がもとになっています。しかもこの考え方はシミュレーションの結果とも合致しています。全体と部分の関係はさまざまなことがらについて存在します。一般的に物事を思考する哲学が軽視されるようになった今、あらためて全体と部分についての関係を考える契機の1つにならないでしょうか。(以上,押川元重)
第54回JSA福岡支部総会
12/05/24 13:51
【第54回JSA福岡支部総会の実施の案内】
日時 :2024年5月12日(日) 13:30〜14:45
対面での会場 :九州大学西新プラザ小会議室
定員6名(講演会の講演者,運営スタッフ以外)
Zoomでの参加情報は以下の通りです.
https://us04web.zoom.us/j/8151516469?pwd=N1dydmMxTk85eVRkenNxUFhJUE1YUT09
ミーティングID: 815 151 6469
パスワード: 3KsYt4
(1)2023 年度支部活動報告
(2)2023年度会計報告・監査報告
(3)2024 年度支部活動方針案
(4)2024 年度支部予算案
(5)2024 年度支部幹事会・事務局体制の提案
日本科学者会議福岡支部幹事会
定期大会終了後,引き続いて下記の講演会を開催します.
講演会「国際卓越研究大学制度を問う」
日時 :2024年5月12日(日) 13:30〜14:45
対面での会場 :九州大学西新プラザ小会議室
定員6名(講演会の講演者,運営スタッフ以外)
Zoomでの参加情報は以下の通りです.
https://us04web.zoom.us/j/8151516469?pwd=N1dydmMxTk85eVRkenNxUFhJUE1YUT09
ミーティングID: 815 151 6469
パスワード: 3KsYt4
(1)2023 年度支部活動報告
(2)2023年度会計報告・監査報告
(3)2024 年度支部活動方針案
(4)2024 年度支部予算案
(5)2024 年度支部幹事会・事務局体制の提案
日本科学者会議福岡支部幹事会
定期大会終了後,引き続いて下記の講演会を開催します.
講演会「国際卓越研究大学制度を問う」
講演会「国際卓越研究大学制度を問う」
12/05/24 11:16
【講演会のご案内】
日時:2024年5月12日(日)15:00〜17:00
演題:「国際卓越研究大学制度を問う」
講師:本庄春夫(九州大学名誉教授,元 九州大学副学長)
Zoomでの参加情報は以下の通りです.
https://us04web.zoom.us/j/8151516469?pwd=N1dydmMxTk85eVRkenNxUFhJUE1YUT09
ミーティングID: 815 151 6469
パスワード: 3KsYt4
【要旨】:10兆円ファンドに基づく国際卓越研究大学制度が2023年度から開始された。制度に申請した8つの指定国立大学と2つの大規模私立大学のうち東北大学だけが採択され、2024年度には2回目の公募が行われる。国際卓越研究大学には合議体が設置され、中期目標、予算、学長選考などの法人運営に関して強権的に関与する。ところが、昨年12月に可決された改正国立大学法人法では、この合議体は国際卓越研究大学だけではなく理事が7名以上の一部の大規模大学にも設置されることになった。さらには、それ以外の希望する大学でも設置可能としている。「選択と集中」政策がもたらしたこの制度の問題点を指摘し、高等教育機関としての大学の存在意義を再確認したい。
日時:2024年5月12日(日)15:00〜17:00
演題:「国際卓越研究大学制度を問う」
講師:本庄春夫(九州大学名誉教授,元 九州大学副学長)
Zoomでの参加情報は以下の通りです.
https://us04web.zoom.us/j/8151516469?pwd=N1dydmMxTk85eVRkenNxUFhJUE1YUT09
ミーティングID: 815 151 6469
パスワード: 3KsYt4
【要旨】:10兆円ファンドに基づく国際卓越研究大学制度が2023年度から開始された。制度に申請した8つの指定国立大学と2つの大規模私立大学のうち東北大学だけが採択され、2024年度には2回目の公募が行われる。国際卓越研究大学には合議体が設置され、中期目標、予算、学長選考などの法人運営に関して強権的に関与する。ところが、昨年12月に可決された改正国立大学法人法では、この合議体は国際卓越研究大学だけではなく理事が7名以上の一部の大規模大学にも設置されることになった。さらには、それ以外の希望する大学でも設置可能としている。「選択と集中」政策がもたらしたこの制度の問題点を指摘し、高等教育機関としての大学の存在意義を再確認したい。
北九州分会 2023年度 第2回例会
22/03/24 09:58
北九州分会 2023年度 第2回例会
3月22日(金)に以下の例会が開かれた.今回の例会は、近年開発が進む量子コンピュータを取り上げて、その計算の仕組みや具体的な装置の構成から応用の方向性などを、出口博之氏に分かり易く解説していただいた。会議は対面形式(オンライン中継なし)で行われ、参加者は4名であった。
第2回<北九州分会>例会
日 時:3月22日(金)
講 演:「量子コンピュータとは何か?ーそのしくみと実用性について」 発表資料
講演者:出口博之氏(九州工業大学名誉教授)
<お話しの筋>
1.量子力学とは?
2.量子コンピュータの歴史
3.量子ビット・量子ゲート
4.量子コンピュータのしくみ
5.実際の量子ビットおよび量子コンピュータ
6.量子コンピュータで何ができるか
7.量子コンピュータの現状と課題
<報告>
量子コンピュータの開発研究が、巨大IT企業の力によるのみならず、幾つかの国では国家レベルの支援の下で、進められている。従来型のコンピュータが、「0」か「1」のどちらかに確定した値をとる「ビット」により演算するのに対し、量子コンピュータは、「0」の状態と「1」の状態を重ね合わせた「量子ビット」を用いて演算することで、計算処理能力が格段に高まるものと期待される。
この量子計算の原理を理解するには、ミクロな世界の力学である量子力学の基礎事項の理解が必要であって、講師はまず、シュレーディンガー方程式、不確定性関係、物理量の離散化(量子化)などの概説の後、物理状態の「重ね合わせ」、観測による「状態変化」、「もつれ状態」の存在という特徴を述べた。
続いて講師は、実際にその量子状態と量子力学的操作を介した量子コンピューティングの実現を目指した研究の歴史を概観した。量子コンピューティングの方式として、現段階では、量子ゲート方式と量子アニーリング方式が有力とみられるが、前者が汎用的な計算に適す。これは、「量子ビット」に対し「量子ゲート」と呼ばれる演算を繰り返し施して処理していく、「ゲート」型である。出発となる「量子ビット」にはミクロの世界の状態、即ち∣と∣の重ね合わせ状態を使う。3ビットの例では、∣から∣までつの状態を同時並列的に処理できる。この量子並列性が高速計算を可能にしている。論理演算処理をする量子ゲートは幾種類もあるが、そのうち基本的操作として、NOTゲート、アダマール・ゲート(重ね合わせ状態を作り出す)、及びCNOTゲート(量子もつれ状態をつくりだす)を取り上げ、それらの操作を、状態ベクトルへの行列の積演算の形で示した。これら量子ゲートを順次並べて動的な操作指示表(量子アルゴリズム)ができる。一例として、素因数分解についての「ショアのアルゴリズム」が紹介された。さて実際の量子ビットとしては、光量子ビット、超電導量子ビット、イオン・トラップ量子ビット、またシリコン量子ドットなどがあるが、いずれもノイズに弱い、という問題が指摘された。そこで量子誤り訂正技術が必須になってくる。
一体、量子コンピュータはどんな問題を解くのを得意としているのか。計算方法は分かっていても、従来型スパコンを使っても非常に長時間の計算時間がかかり、事実上解けないような問題として、「巡回セールスマン」問題、「ナップザック」問題、化学物質を合成するために最適な反応計算や新薬の薬効シミュレーションなどがある。この中のミクロな化学計算を含む問題では、電子の従う量子力学的ルールを量子コンピュータのアルゴリズムが自然に表現できること、が計算高速化のポイントである。
講演は、量子コンピュータの現状と課題の項に移り、まず、米欧中を中心とする海外と日本において、政府主導でこの研究開発や人材育成への投資が大幅拡充されていることを注意して、日本政府の推進する「量子技術イノベーション戦略」を分析した。そうした状況下で講師が重大な懸念を寄せている問題は、第一に、量子コンピュータ(量子情報技術)が軍事転用される可能性である。一部の国々がこのテクノロジーによって覇権国の地位を確定させる恐れにつながる。第二に量子コンピュータと人工知能AIの融合の将来像である。この融合により現在より格段に大規模かつ複雑なデータを基にしたAIが実現されれば、人間社会のあらゆる分野でAI依存が一層強まるのではないか。
討論に入って、参加者から、量子力学の基礎概念に慣れていないため量子コンピュータのメカニズムがよく分からない、という反応が出されたが、それに関する再説明も含め、質疑は大いに盛り上がった。議論は、量子ゲートにおけるオペレーションの実際や誤り訂正の方法、更には、「重ね合わせ」とか「量子もつれ」状態をもっと平易にイメージできる方法はないか、とか、暗号が量子コンピューティングにより容易に解読されるようになったその先、といったことがらにも議論が及んだ。
今回の話題は、従来の量子力学と情報科学のそれぞれの枠を超えるか、又は融合した分野の最新の話題として、参加者に新鮮な刺激を与えるものとなった。
(報告者:西垣 敏)