参加の決め手

 一昨年、JSA九州沖縄シンポジウム益川敏英氏を招いて講演会を行なった。当日を大変楽しみにしていたし、討論も含めてとてもいい話が聞けた。また、特に何もしていないが、実行委員会のメンバーであったことは貴重な体験であった。招待にあたった方は多くの苦労があったと思う。
 そして、シンポの二日後に益川氏ノーベル賞受賞のニュースがあった。その後の益川氏の講演会は文字通り桁違いの聴 衆を集めていると聞いた。益川氏がおっしゃる通りノーベル賞はやはり社会現象の側面をもつ。一方、JSA九州沖縄シンポの参加者は40名弱であった。行き たいと言っていたのに来なかった人もいる。もったいない気がする。
 しかし、行った私もたまたま実行委員会にいて事前に予定を入れることができたから行ったのであって、そうでなければ行きたいとは思うがどうなっていたかわからない。また、ここ何年かの間に失望した講演も、僭越ながらいくつかある。
 参加の決め手は何だろうか。時間的ゆとり、関心の高さ、人間関係…スポーツや音楽であればどうだろう。例えば、野 球好きの子供ならプロ野球を観戦したいのは当然だ。「有名な学者が講演に来るから聞きに行きたい。」という人はどれくらいいるだろうか。いろいろ要因はあ るが、そもそも関心がないことは大きい気がする。
 多くの人に学問や科学の話にも関心を持ってほしいと思う。益川氏は大変多くの準備をして講演に来て下さった。自分に関係ないから、どうせわからないからということが不参加の理由だったら残念に思う。

(Y. A.)
(2010/02/10)