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ロシア軍のウクライナからの撤退を求める声明

日本科学者会議 福岡支部は,2022年3月10日に以下の声明を発出しました.

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2022年3月10日


ロシア軍のウクライナからの撤退を求める声明


 2月24日に始まったロシアのウクライナへの軍事侵略は、多くのロシア市民を含む世界中の市民が即時の停戦とロシア軍のウクライナからの撤退を求める声を上げているにもかかわらず、多数のウクライナの市民や反戦を掲げるロシアの市民に被暴力的犠牲を強いながらさらに激化している。「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と憲法に誓った日本国民の一員である日本科学者会議福岡支部の会員は、プーチン大統領にロシア軍によるウクライナに対する一切の軍事攻撃を直ちに停止し、ウクライナから撤退することを求める。

 プーチン大統領は「冷戦終結」後のNATOの東方拡大をロシアの安全に対する軍事的脅威とし、今回のウクライナへの武力侵攻の理由の一つとしている。これは、軍事同盟への対抗として軍事力を行使するという世界中を軍拡競争と戦渦に巻き込むような考えに他ならない。私たちは、軍縮、核兵器の廃絶、軍事同盟の解消、人権の尊重によってこそ各国の主権と市民の安全は保障されるものであると考える。

 さらにプーチン大統領は、ウクライナ侵攻に反対し平和を希求するする声に対して、ロシア軍が核戦力を常時使える構えをとるという「戦略核抑止戦力の特別体制」命令を発して核による威嚇を行い、さらに核施設への攻撃まで行っている。この事態は、奇しくも核大国が唱えてきた「核抑止論」の破綻を自らが如実に示すものとなっている。私たちは、このプーチン大統領の核による威嚇に対し、とりわけ強く抗議し、直ちに命令を撤回することを求める。

 昨年1月に「核兵器禁止条約」が50を超える国による批准によって発効したことで明らかなように、核兵器の廃絶は世界中の市民の希求するところである。私たちは、ウクライナの戦火を鎮めるためにも、今こそ核保有国も含め「核兵器禁止条約」非批准国に対し早期に批准して核廃絶をめざすこと、軍縮を進め、NATOその他のあらゆる軍事同盟の拡大・強化を含む、「軍備による安全保障・平和」という人類社会の永続とは相容れない思考から袂を分かつことを求める。

日本科学者会議 福岡支部