安保法制は性急 国民置き去り

5月29日の朝日新聞朝刊「声」欄にJSA会員の以下の投書が掲載されました(2015.5.29).


「安保法制は性急 国民置き去り」


 集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連11法案について、国会審議が始まった。安倍政権は今国会での成立をめざすという。
 戦後政治の大転換につながる法案である。先日、党首討論が行われたが、改めて疑問を感じた。国民の理解が不十分なのではないかと。このまま国会でこの法案を審議してよいのだろうか。
 自民党は昨年の衆院選で「切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに法整備する」と公約にしたという。しかし、自民党候補者からその訴えを聞いた国民は少ないと思う。争点はもっぱらアベノミクスや消費税だった。
 国民が安全保障関連法案を十分に理解し、賛否を争点に衆院選が行われた後にはじめて、これらの法案を採決する条件が整うと考える。それが民主主義というものだ。ただちに衆院を解散すべきだ。
 この11法案の最大の眼目は、現憲法下において認められないとしてきた集団的自衛権の行使を可能にする点にある。このような法案を今国会で成立させようというのは、あまりにも性急すぎる。