2025/02/22 福岡核問題研究会例会(02/22)の報告 「第7次エネルギー基本計画(案)について」


話題提供:生成AI&三好永作

 2月例会は,生成AIを利用して第7次エネルギー基本計画(案)についてまとめたものを材料にして,第7次エネルギー基本計画(案)に対する批判的な声明文を検討した.本支部ニュースの2に掲載された声明文は2月例会で検討された声明文案を基にして,支部幹事会で補足改訂されたものである.
 まず,三好はいくつかの生成AIに対して,「あなたは地球環境学の専門家です.専門家として,第7次エネルギー基本計画(案)を3000字程度に批判的に論じてください」という指示(プロンプト)を発した.生成AI(GoogleのGemini)からの応答は項目だけを列挙すれば以下のようなものであった.
 1.脱炭素化に向けた具体策の欠如
 2.再生可能エネルギーの導入目標の低さ
 3.原子力発電への依存
 4.水素・アンモニアへの過度な期待
 5.CCS技術への過度な依存
 6.エネルギー政策決定プロセスへの国民参加の欠如
 7.国際協力の欠如

「3.原子力発電への依存」の項目すべてを書き下せば以下のようになる.
 「計画案では,原子力発電を「重要なベースロード電源」と位置付け,その活用を推進する方針が示されているが,福島第一原子力発電所事故の教訓や核廃棄物の処理問題,安全性の確保など、原子力発電には多くの課題が残されている。地球環境学の観点からは,原子力発電はリスクの高いエネルギー源であり,その依存度を下げるためには,再生可能エネルギーの導入拡大や,省エネルギーの徹底などほかの手段を追求する必要がある」
 結論として,「地球環境学の専門家から見て,基本計画(案)は,いくつかの点において批判的な考察が必要である.特に,脱炭素化に向けた具体策の欠如,再生可能エネルギーの導入目標の低さ,原子力発電への依存,水素・アンモニアの過度な期待,CCS技術への過度な依存,エネルギー政策決定プロセスへの国民参加の欠如,国際協力の欠如などは,早急に改善されるべき課題である.日本が持続可能な社会を実現するためには,より長期的な視点に立ったエネルギー政策を策定する必要がある.再生可能エネルギーの主力電源化を加速化し,省エネルギーを徹底し,原子力発電からの段階的な脱却を目指し,水素・アンモニアの導入には慎重な検討を行い,CCS技術の開発には慎重な姿勢を保ち,エネルギー政策決定プロセスへの国民参加を促進し,国際協力を強化する必要がある」と相当まともな批判をしている.
 言うまでもない事であるが,第7次エネルギー基本計画に対する声明文(案)では,生成AIの文章は使わず,オリジナルな文章を書き下している.そのようにして作成されたものが,声明文を作成する際の原案となったのである.
(報告者:三好永作)