内 容:1:問題提起:テーマ「生成AIは何を生成しているか」(報告者 西垣敏)
2:問題と課題についての討論
問題提起の概要:
「予測マシン」としてのAIの社会実装が,一方で人間を助ける力となりながら,他方では人間の行動と精神に影を及ぼしながら,急激に進んでいる.特にChat GPTの登場以来社会に激変を起こしつつあるのは,所謂「生成AI」なるマシンである.更にAIは,これと並行して成功を収めた「大規模言語モデルLLM」と組むことで,人間の要望を言葉で受け,それに沿った「生成」を行うことが可能になった.
生成AIはその開発がいま激しく競われている技術であって,AIを構成する個々のアルゴリズムも分からない所が多いし,アルゴリズムの動く根拠となる数理に不安もある.そこで,今回の研究会の学習・討論は,「生成AIは何を生成しているか」の問いから始めることにしたい.具体的には画像生成タスクにおいて,事前に多くの画像を学習済みのマシンがどのように新たな画像を生みだせるか,と云った「汎化」の課題を見据えて,画像生成AIの仕組みを議論する.次の書籍を参考にする.このうち(2)はかなり難解である.研究会は(3)の概説から入る.
(1)『大規模言語モデルは新たな知能か』岡野原大輔 2023 岩波科学ライブラリー319
(2)『拡散モデル データ生成技術の数理』岡野原大輔 2023 岩波書店
(3)『生成AIのしくみ 〈流れ〉が画像・音声・動画をつくる』岡野原大輔 2024 岩波科学ライブラリー328

