(エッセイ)『トルコの旅より』(河内俊英)

 9月中旬トルコに12日間の旅行に行きました.阪急企画の旅行でホテル9泊,機中泊2日の中国上海経由・イスタンブール往復でした.全食事つきで中国の高圧的なチェックを除けば,これまでツアー旅行にはあまり参加したことの無い,河内にとっては,中々快適な旅でした.
 参加者全員1人参加で全員が今回初めて顔を合わせた9名は,9月14日日曜日に福岡国際空港に集合して出発しました.河内が最高齢で79歳,75歳代が他に2名,60歳代以上5名,1人だけ30代が居ました.男性2名いずれも75歳以上,他は女性7名でした.自己紹介もないままの出発になりました.上海でのチェックが当然か??非常に厳重でやかましく感じました.中国でテロがあったわけでもないのに心配なようです.中国の飛行機は中国がこれだけ発展してからは初めてだったのと,海外に行く飛行機だったので厳重で,うるさかったのかもしれません.高市首相発言が問題になっている今なら,もっと厳しくなっているのかもしれないですね.
 トルコは親日的な国で紀元前の遺跡がゴロゴロ存在する国でした.日本とトルコの関係は1890年のエルトゥールル号事件:和歌山県串本町沖で遭難したオスマントルコの軍艦エルトゥールル号乗組員を献身的に救助したことがきっかけです.
 遺跡は復元したものが殆どですがギリシャの神殿遺跡のような石柱が沢山ありました.しかし,日本の弥生時代にこれ程の遺跡があったことは,驚異的なことであり,トルコにこれ程多くの遺跡の存在することを始めて知りました.日本で良く知られるカッパドキアの遺跡は,火山性の岩石が風化して残った所を加工したもののようです.日本の中世鎌倉時代に十字軍に責められたとき,立てこもって何か月も生活したとのことで,ベトナムの「ベトコンが米軍相手に地下洞窟で闘った」のに似ている気がしました.
 トルコはイスラム国ですが,キリスト教の教会なども破壊することなく,そのまま手直しして,モスクとして使っているようです.この点は,キリスト教国と大きく違うように感じました.キリスト教国では,異教徒の造ったイスラム寺院等はすべて破壊してしまったようである点で大きく異なっています.
 カッパドキアの目玉は,洞窟ホテル宿泊と気球に乗って上空から奇岩群を見る事でしたが,生憎の気象条件でダメでした.早朝現地まで行ったのですが,直前の上空の風の強さで中止になりました.4月・5月と9月のこの時期は,気球に乗れる良い時期と言う事でしたが,今年の9月は連続7日飛んでいないとのことで残念でしたが,次回を目指したいものです.
 トルコは日本と同じ火山国であり,地震が頻発する国です.火山性の岩石がゴロゴロあります.富士山以上の4千メートル近い山があり,トルコ富士的な形の高山がありました(写真1).

<写真1>

 エルジス山は高さが3916mの成層火山で,カッパドキアの奇岩はエルジス山に由来し宿の窓からすぐ見える山です.この山は5月から10月は登山でにぎわい,11月1日から5月1日まではスキーで有名とのことです.
 雨は年間総雨量が600ミリ前後で,場所によっては6~9月全く降雨無しとか言っていました.日本の国内の雨の少ない地域の半分くらいと少雨の国です.トルコの観光のベストシーズンは,温暖で過ごしやすい4~10月です.一方,トルコは日本と同じように四季折々の魅力があるため,1年中ベストシーズンと言ってもよいと言われていますが,カッパドキアの気球の冬は寒そうです.
 雨が少ないので穀物生産は専ら麦類で,コメは作っていないようです.しかし農産物生産は豊富で,野菜と果物は毎回の食事で豊富に出ました.また生野菜が毎回多く出され,オリーブオイルと酢をかけて食べるようです.日本人の添乗員が気を使ってくれて,日本のドレッシングを2種類準備してくれたのでより食べやすくなりました.生野菜として「トマトとミニトマト,キャベツ,ピーマン,青物,ニンジン等」が出てきました.果物はスイカとメロン,モモ,リンゴ,ブドウ数種が出てくる,まだ青いミカンもある・・・出始めのようだった,バナナは輸入品とかで,少しだけ出されていました.トルコでの日本のミカンと同じような手でむけるミカン生産は,貴重で欧州では好評と聞きました.
 観光地では,ザクロ,パイナップル,オレンジ等の生ジュ-スがあちこちで売られていました.レストランだと1200円位ですが街中では400円位と手ごろで安く手に入ります.カンボジアなどだと街中のジュース類は病気が怖くて飲めないのですが,トルコは大丈夫なようです.
 イスラムの関係から豚肉は無く牛肉と鶏肉・七面鳥と魚が中心でしたが他にマトンがあるようです.近年は,養殖のマスとサケが多くあるらしく最近は日本にも輸出されているようです(写真2).身近な所で見られた魚は,イスタンブールで観光客が沢山通行する橋の上から釣り糸を垂れて釣るサバなどです.多くの釣り人が20~30メートルの高さから釣り糸をたらして釣っていました.全長約500メートルのガラダ橋は,橋の上からの釣りで有名な橋です.

<写真2>

 マス料理は川沿いの地域で有名とのことですが,近年は養殖が盛んで,我々の様な観光客の昼食に出されました.
 観光の主な見どころは,紀元前の遺跡と宗教遺跡でしたが,イスラム寺院の文化とオスマン帝国がらみの財宝が博物館に多数ありました.発掘された石の彫刻も多数展示され楔形文字もありました.楔形文字で書かれている内容の紹介では,借金の証書でした.いつの時代にも金の貸し借りがされているようです.
 お土産は色々ありましたが,観光客のサイフを狙った店に案内されました.革製品の衣服1着20万円単位やペルシャ絨毯も10万円単位,国宝級と言う陶磁器も高いが,お金持ちの観光客は見分けがつくようでした.しかし,狙った客は口説いて買わせていたようです.貧乏性の河内,また断捨離中の妻が待つ我が家では,縁の無いモノでしたが,9名中の4~5名は買っていました.
 トルコの電力事情は,ロシアからの天然ガス,石炭等の火力発電が40%以上と中心的で輸入に頼っていますが,近年水力,地熱,風力,太陽光などの再生可能エネルギ-が増加しています.トルコ政府は,再生可能エネルギ-の割合を2030年までに30%まで引き上げることを目指しており風力・太陽光・地熱などの導入拡大を進めています.またロシアの支援で原発建設計画がありますが,予定より遅れています.完成すれば最大10%を賄う予定のようです.
 世界の三大料理は,一般的にフランス料理・中華料理・トルコ料理を指し,トルコ料理が選ばれるのは,広大なオスマン帝国時代に宮廷でアジア・ヨーロッパ・中東の食文化と食材が集約・発展し,世界に影響を与えた歴史的・地理的背景が理由です.ケバブやヨーグルト,豊富な野菜や肉・魚介類,香辛料が特徴であり,東洋と西洋の食文化が融合した奥深さが魅力的でした.