核問題研究会

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2025/10/25 福岡核問題研究会10月例会の報告

日時:10月25日(土)10:00~(オンライン形式)報告者:伊佐智子(久留米大学)題名:「原爆投下及び被曝問題の法律学における扱かわれ方についてー無視と忘却ー」報告の主旨 本報告では、NHK連続テレビ小説「虎に翼」のなかで原爆裁判が取り上げられたことをきっかけに、報告者自身も初めてその存在を知った。そして、原爆裁判や被爆者の法的扱いについて、法律学では長らく無視・忘却されてきた現実があり、なぜそうなっているのか、その原因を筆者なりに探求したものである。1.法律学における原爆裁判の忘却 Cinii(国立情報学研究所)論文検索サイト論文検索(2000~2025年)において「原爆裁判、法律」を入力...
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2025/11/22 福岡核問題研究会11月例会の報告

日時:2025年11月22日(土)10:00〜講演者:北岡逸人(きたおかはやと、非会員、元新潟県柏崎市市会議員)講演題目:「泊原発の設置変更許可の取消しを求める審査請求&その背景について」  この講演は、「北海道電力の泊原発3号機の設置変更許可」の取消しを求める審査請求と、その背景にある技術的・本質的な問題について説明したものである。審査請求の目的と背景• 2025年10月末、国の原発審査に重大な問題があるため泊原発3号機の設置変更許可の取消しを求める審査請求を、原子力規制委員会 に対して郵送で実施した※。• 重大な問題とは水蒸気爆発対策の放棄で、この問題は全国の加圧水型原発(PWR)に共通す...
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2025/07 福岡核問題研究会2025年7月オンライン例会の報告

話題提供者:中西正之氏標題:米国・原子力規制委員会・技術報告NUREG/CR-6042, Rev. 2についてはじめに・NUREG/CR-6042 1)は、米国原子力規制委員会(NRC)が発行した技術報告であり、商用軽水炉原子力発電所の過酷事故に対するリスク対策の歴史、実績、教訓をまとめたものである。NUREG/CR-6042, Rev. 22)はその改訂2版である。・原発の運転差し止めを求める訴訟では、原子力基本法第2条第2項の「確立された国際的な基準」としてIAEAの5層の深層防護が挙げられ、その第5層(避難計画)の不備が指摘されることが多い。・しかし、深層防護の論理的説明は少なく、その背...
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2025/03/22 福岡核問題研究会例会(3/22)の報告 「ネットワーカーの人間関係の可能性」

話題提供:溝俣洋一氏 3月例会では,溝俣洋一さんに「ネットワーカーの人間関係の可能性」という話題を提供していただいた.溝俣さんは,” ChatGPT” などのネット上に公開されている生成AIを使う段階に停まらず,ご自分のパソコン上にAMD(Advanced Micro Devices)社のGPUをのせて画像生成AI “Stable Diffusion”などを走らせて画像データを得ているという. ネットワーカー(ネットを使う私たちを指す)は,生成AIのネット上での登場により,ネット上の虚偽との戦いが益々厳しい状況に直面していると指摘して,①ネットワーカーについて述べ,②ご自身のネットワーカーとし...
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2025/03/04 声明「第7次エネルギー基本計画は問題だらけで実効性は疑問」

福岡核問題研究会と日本科学者会議福岡支部幹事会の連名で声明「第7次エネルギー基本計画は問題だらけで実効性は疑問」を発出しました第7次エネルギー基本計画は問題だらけで実効性は疑問福岡核問題研究会/日本科学者会議福岡支部幹事会 政府は,中長期のエネルギー政策の方向性を示す第7次エネルギー基本計画(エネ基)を閣議決定した.このエネ基は,福島原発事故の教訓を忘れ,持続可能性など総合的観点に欠けたものである.一言でいえば原子力,火力に偏重した,問題の多い基本計画であると言わざるをえない.以下六点に渡って問題点を指摘する.政府においては,私たちの指摘を真摯に受け止めて日本国民の将来に渡って安全と環境保全を...
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2025/02/22 福岡核問題研究会例会(02/22)の報告 「第7次エネルギー基本計画(案)について」

話題提供:生成AI&三好永作 2月例会は,生成AIを利用して第7次エネルギー基本計画(案)についてまとめたものを材料にして,第7次エネルギー基本計画(案)に対する批判的な声明文を検討した.本支部ニュースの2に掲載された声明文は2月例会で検討された声明文案を基にして,支部幹事会で補足改訂されたものである. まず,三好はいくつかの生成AIに対して,「あなたは地球環境学の専門家です.専門家として,第7次エネルギー基本計画(案)を3000字程度に批判的に論じてください」という指示(プロンプト)を発した.生成AI(GoogleのGemini)からの応答は項目だけを列挙すれば以下のようなものであった. 1...
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2025/02/18 福岡核問題研究会例会(12/22, 1/25)の報告

<福岡核問題研究会12月例会>日時:12月22日(日)10:00〜12:00話題:「IAEAの5層の深層防護の見直しについて」話題提供:中西正之さん<福岡核問題研究会1月例会>日時:1月25日(土)10:00〜12:00話 題:①「イギリスと日本で進む米国核再持込の動き」話題提供:豊島耕一さん話 題:②「被団協のノーベル平和賞受賞について」話題提供:本庄春雄さん 12月例会は,通常土曜日に行なっているが都合がつかず日曜日に行うことになった.中西正之さんに「IAEAの5層の深層防護の見直し」について報告していただいた.中西さんは,2024年11月27日に仙台高等裁判所で発表された女川原発運転差止...
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2024/12/23 福岡核問題研究会の報告(10月例会,11月例会)

<福岡核問題研究会10月例会>日時:10月26日(土)10:00〜12:00話題:冷却水中の化学添加剤の水蒸気爆発への影響についての実験的研究の紹介話題提供:三好永作<福岡核問題研究会11月例会>日 時:11月30日(土)10:00〜12:00話 題:核ゴミ地層処分の危険性について〜玄海町における火山の影響〜話題提供:北岡逸人氏10月例会は,三好が9月例会(10月5日)において北岡氏から紹介されたY. Dengらによるスウェーデン王立工科大学の原著論文「冷却水中の化学添加剤の水蒸気爆発への影響についての実験的研究」(Y. Deng et al., Int. J. Heat Mass Trans...
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2024/10/20 福岡核問題研究会の報告(2024/08/24,2024/10/05)

<福岡核問題研究会8月例会>日 時:8月24日(土)10:00〜12:00話 題:「原爆の父」ロバート・オッペンハイマーについて話題提供:三好永作<福岡核問題研究会9月例会>(日程調整で開催が10月にずれ込んだ)日 時:10月5日(土)10:00〜12:00話 題:原発運転停止裁判における水蒸気爆発問題の再整理話題提供:中西正之氏 8月例会では,「原爆の父」ロバート・オッペンハイマーについての話題提供があった.オッペンハイマーが広島と長崎の被爆者に公式に謝罪した記録は存在しない.しかし,6月20日にNHKが放送したものによると,被爆者と面会した際,オッペンハイマーが「涙を流して謝った」と立ち会...
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2024/07/20 福岡核問題研究会例会(7/20)の報告

本年5月に玄海町長が原発から出る高レベル放射性廃棄物(以下,核のゴミ)の文献調査受け入れを表明したことで,核のゴミの地層処分の安全性について関心が高まっている.地質学の専門家である角縁進氏にこの問題について,ZOOMによるオンライン講演会をお願いした.このオンライン講演会には関心のありそうな人々にもメールを通して案内したこともあり,当日は30名を超える参加があった.角縁氏は,2023年10月に地層処分に関する声明文「世界最大級の変動帯の日本に,地層処分の適地はない〜現在の地層処分計画を中止し,開かれた検討機関の設置を〜」(注1)の呼びかけ人の一人である.同声明では,地殻変動が活発である日本では...