支部活動

報告

2024/12/23 第25回総合学術研究集会について

標記の集会(25総学)が「平和で豊かな地球を子や孫に伝えるために ―市民として科学者として今、私たちにできること―」という主題で 2024年11月23日(土)~12月8日(日)間にオンラインで開催された。与えられた文字数が限られているので、筆者の問題意識を中心に紹介する。詳しくは3rd サーキュラー ( を参照のこと。25総学は全体企画(基調講演ひとつと全体集会における3つの講演)と7つの分科会群(総数25)から構成されていた。全分科会の報告の総数は114くらい。のべ参加者数など詳細な情報は得ていないが、JSA会員の問題意識に相当な多様性が存在することは総合的な学術的組織としてJSAの活動とし...
報告

2024/12/23 2024年度のJSA九州沖縄シンポジウムの報告

「佐賀から見える日本の平和と暮らしへの深刻な脅威を科学する」をメインテーマに2024年度のJSA九州沖縄シンポジウムが11月10日(日)に佐賀市のメートプラザ佐賀で対面とオンラインのハイブリッド形式で開催されました.久々に対面で行われたシンポジウムでしたが,九州各地のJSA会員と佐賀の様々な運動に取り組む市民の皆さんを中心に会場の参加者36人とオンラインでの参加者19人を合わせて55人が参加してテーマにあるように佐賀で起こっている日本の平和と暮らしに関わる3つの問題について講演と討議が行われました.「第1部 佐賀空港のオスプレイ基地化と戦争準備をめぐって」では,オスプレイ裁判支援市民の会の蒲原...
核問題研究会

2024/10/20 福岡核問題研究会の報告(2024/08/24,2024/10/05)

<福岡核問題研究会8月例会>日 時:8月24日(土)10:00〜12:00話 題:「原爆の父」ロバート・オッペンハイマーについて話題提供:三好永作<福岡核問題研究会9月例会>(日程調整で開催が10月にずれ込んだ)日 時:10月5日(土)10:00〜12:00話 題:原発運転停止裁判における水蒸気爆発問題の再整理話題提供:中西正之氏 8月例会では,「原爆の父」ロバート・オッペンハイマーについての話題提供があった.オッペンハイマーが広島と長崎の被爆者に公式に謝罪した記録は存在しない.しかし,6月20日にNHKが放送したものによると,被爆者と面会した際,オッペンハイマーが「涙を流して謝った」と立ち会...
市民との対話・談話会

2025/10/20 福岡支部会談話会(2024/09/28)報告「マイナンバーシステムは正常に稼働するか?」

政府は2024年12月2日に現行の健康保険証の新規発行・再発行を終了し,保険証をマイナンバーカードに統合するとしています.しかし,情報システム学会()はマイナンバーシステムそのものについての懸念を表明し,全国保険医団体連合会()はマイナンバー保険証に関する多数のトラブルを報告しています.この先,マイナンバーシステム,マイナンバー保険証は正常に稼働するのでしょうか.福岡支部では情報システム学会が発表した提言を参考に意見を交わす場を設けました. 少し話は遡ります.2006年に誰のものか不明な年金記録があることが判明し,当時,社会保険庁に様々な不備もあったことから,社会保険庁そのものが廃止になりまし...
エッセィ・コラム

2024/08/21  <エッセイと討論のための広場No.2>「旧優生保護法違憲判決と生殖医療技術」

7月3日,旧優生保護法(1948年成立,1996年「最終改正」としての母体保護法になる)によって様々な障がい等を理由に不妊手術を強制された人たちが国を訴えた裁判の判決において,最高裁判所大法廷は,「本件規定(旧優生保護法)は、憲法13条及び14条1項に違反するものであったというべきである。そして、以上に述べたところからすれば、本件規定の内容は、国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白であったというべきであるから,本件規定に係る国会議員の立法行為は、国家賠償法1 条1項の適用上,違法の評価を受けると解するのが相当である(判例列記).」(下線は判決文に付されていたもの)と...
報告

2024/07/27 原水爆禁止世界大会2024科学者集会(7/27)の報告

今年の原水爆禁止世界大会・科学者集会は「ビキニ被災 70 年から被爆 80 年へ 核兵器禁止条約への日本政府の参加を求めて」をテーマに、7月27日、静岡大学の対面会場とオンライン参加をハイブリッドして開催されました.集会では,70年前のビキニ水爆実験の被災を中心とした2つの講演と「ビキニ被災 70 年から被爆 80 年へ ~非核日本キャンペーンの意義~」と題した原水爆禁止静岡県協議会理事長・木藤 功氏の講演があり,参加者50余名による討論,「原水爆禁止世界大会 2024 科学者集会アピール」の採択が行われました.また,集会の前後には動画「焼津市歴史民俗資料館 『第五福竜丸被災70年特別展』を訪...
核問題研究会

2024/07/20 福岡核問題研究会例会(7/20)の報告

本年5月に玄海町長が原発から出る高レベル放射性廃棄物(以下,核のゴミ)の文献調査受け入れを表明したことで,核のゴミの地層処分の安全性について関心が高まっている.地質学の専門家である角縁進氏にこの問題について,ZOOMによるオンライン講演会をお願いした.このオンライン講演会には関心のありそうな人々にもメールを通して案内したこともあり,当日は30名を超える参加があった.角縁氏は,2023年10月に地層処分に関する声明文「世界最大級の変動帯の日本に,地層処分の適地はない〜現在の地層処分計画を中止し,開かれた検討機関の設置を〜」(注1)の呼びかけ人の一人である.同声明では,地殻変動が活発である日本では...
講演会・シンポジウム

2024/05/12 JSA福岡支部講演会「国際卓越研究大学を問う」

(定期大会に引き続いて、本庄春雄氏を講師に迎え、「国際卓越研究大学を問う」と題する支部講演会が開かれた。以下、講師ご自身による報告である。)---------- 講演「国際卓越研究大学を問う」報告 本庄春雄 ----------2021年の第6期科学技術基本計画(2021∼2025)で国際卓越研究大学制度(10兆円ファンド)が導入された。目まぐるしく進展する科学技術の世界で日本の産業界が取り残されないようにするため、大規模大学のイノベーションなどの産業に資する成果を活用しようとするのが制度の目的である。制度設計を担当した内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の常勤上山隆大氏は、我が...
市民との対話・談話会

2024/06/21 「モンティ・ホール問題について」       押川元重

モンティ・ホール問題は、アメリカの視聴者参加のテレビクイズ番組を契機として出てきました。会場に大きな3つの箱が置かれ、司会者が番組参加者に「これら3つの箱の1つに車が入っています。当ててください。」と言い、番組参加者が1つの箱を選びました。司会者は選ばれなかった箱の1つを開けて、中に車が入っていないことを示した後で、「あなたが選んだ箱とまだ開けていない箱を取り替えてもよいです。どうしますか?」と言いました。番組参加者は交換を望みませんでしたので、司会者は選んだ箱を開けましたが、その箱には車が入っていませんでした。司会者は「実は、箱を交換したほうが、車が入っている確率が2倍だったのです。」と言い...